株式会社プロジェクトスタジオQ主催 アニメCGコンテスト 「Award:Q/Project Studio Q Anime CG Award 2018」 にご応募いただき誠にありがとうございました。厳正なる審査の結果、各部門、下記の通り「グランプリ」「準グランプリ」「入選」が決定いたしました。
本コンテストがご応募いただいたクリエイターの方々のさらなる才能の飛躍、アニメCG業界の新たな可能性に繋がることを期待しています。
審査員コメント
審査員長 小林 浩康 (株式会社プロジェクトスタジオQ 代表取締役社長/株式会社カラー 取締役)
2回目のAward:Q、変わらず要求の高い課題の中、本当に多くの応募ありがとうございました。
アニメーション部門は今回は構成力を問われる課題が難しく応募数が少なかったですが、その中でもこだわりを持って細かく作り込まれた作品群が印象的でした。 モデリング部門はキャラクターもメカニックも、数多くのハイクオリティな作品が集まり目を見張るものがありました。
このコンテストをきっかけに、多くの人がプロの世界に入ってくれることを期待しております。
ゲスト審査員 松野 美茂 氏 (株式会社ドワンゴ 映像制作部 部長)
レベルが上がっています、特に学生さんの作品群に驚きました。
ゲスト審査員 篠原 たかこ 氏 (公益財団法人 画像情報教育振興協会 教育事業部 事業部長)
二年目を迎え、一般の部、学生の部ともにレベルがあがったことを審査を通じて実感いたしました。なかでもモデリング部門は数もクオリティも高まっており、特に学生の部では、このほかにも入選に入れたい作品がああったことを付記しておきたいと思います。
モデリング部門は、手書きで描かれた「マリ」「3号機」の設定からのモデリングと一枚絵としてのポージングを作成するという難しい課題、アニメーション部門は、文章での自由度の高い設定でしたので、ゼロから作り上げる能力が問われるなか、学生・一般ともにしっかりと仕上げようという意気込みと重ねた努力が感じられました。それぞれに個性豊かな作品が集まり、このコンテストにかける応募者からの熱い想いを実感することができました。
今年も審査のなかで、プロから作者への貴重なアドバイスが多々ありましたので、入賞された方は、ぜひ表彰式に参加して、直に審査員からのコメントを聞かれることをお勧めします。この体験がこれからの貴重な糧になることと思います。
このコンテストへの応募をきっかけに、応募者の皆さんが多くを得られることを願っております。
ゲスト審査員 沼倉 有人 氏 (CGWORLD編集部 編集長)
僭越ながら今年度(第2回)も審査員を務めさせていただきました。
アニメーション部門については、一般と学生のどちらにとっても課題の難易度が高いこともあって応募作品数が少なくなりましたが、果敢に挑まれた方々には心より敬意を表します。
一方、モデリング部門については、今回は学生部門が大激戦でした。キャラクターとメカのどちらも優れた作品が多く感心しきりでしたが、個人的にはポリゴン数などのデータ仕様に上限を設けずにとことん作り込むスタイルの作品と、商業制作(プロの現場)を念頭にクオリティと費用対効果をできるだけ高めようという意識が表れた作品を同じ土俵で審査するのが悩ましかったです。
近年、いくつかのアワード審査に参加させていただきながら実感するのが、"覚醒した人が発揮する力はすさまじい"ということです。今回の応募作品の中にもおそらくはCGを学びはじめてから1年程度とはとても思えない優れた作品が複数ありました。
どうすれば覚醒するのか、いつ覚醒するのか、それがわかれば苦労しないのですが、大前提として興味をもったらはじめてみる、楽しかったら続けてみる、と意外とすんなり道が開けるのかもしれませんね。←お前は?
ゲスト審査員 松井 祐亮 氏 (株式会社カラー CGI監督)
アニメーションの作品が少なかったのが少し残念でしたが、モデリングは沢山ありどこにこだわりたいのかが個人個人で違うので興味深かったです。
審査員 鬼塚 大輔 (株式会社プロジェクトスタジオQ/株式会社カラー CGI監督)
モデリング部門アニメーション部門共に沢山の応募ありがとうございます。
各部門毎に個性ある作品を楽しく拝見させていただきました。
今年で2回目になりますが、毎年高校生からの応募があってうれしい限りです。
また、参加者が徐々に増えておりまして若い人達が業界に入るきっかけになれば幸いです。
部門別受賞作品一覧
モデリング部門(一般の部)
グランプリ
真希波・マリ・イラストリアス(Mari Illustrious Makinami)
上垣健太郎
真希波・マリ・イラストリアス(Mari Illustrious Makinami)
上垣健太郎
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マリのかわいさ。
審査員コメント
今回の応募作品の中でモデリングが一番うまいと感じました。 キービジュアルをもう少し工夫できるとよかったと思います。(鬼塚)
準グランプリ
反撃
篠田隆浩, 枡本聡史
反撃
篠田隆浩, 枡本聡史
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学生と同じ立ち位置で作業する事により、学生のジレンマが理解できました。今後の授業に活かせればと思っています。
審査員コメント
パッと見で目をひく作品だと思いました。釈迦に説法ですが、色使いやキャラクターのポーズなど、全ての構成要素に優れた手腕を感じます(沼倉)
入選
Mari Makinami Illustrious(真希波・マリ・イラストリアス)
坂口竣平
Mari Makinami Illustrious(真希波・マリ・イラストリアス)
坂口竣平
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破という中でのマリということでしたので、彼女の綺麗な印象だけでなく、ビーストモードを躊躇なく使う、彼女の闘争本能が一枚絵で伝わる絵に仕上げました。
エヴァンゲリオン3号機
関 歩夢
I CAN (NOT) ADVANCE.
服部高明
I CAN (NOT) ADVANCE.
服部高明
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「破」で初登場ながらも大きな存在感を放っていたマリというキャラクターを、そのキャラクター性も含め、どう1枚絵として表現するか、また、いかにして2Dアニメに近づけるか、自分なりの挑戦を込めて制作しました。
EVA-03a
PROM2917
EVA-03a
PROM2917
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3号機の形態を二つとも制作するのは時間的に厳しかったので、自分なりに両方の特徴を混ぜ合わせたデザインを目指して制作しました。
設定上あり得ないのかもしれませんが、「もし使徒と共生関係で安定したらどうなるか?」という方向性でアレンジしています。 今回の参加は3D制作の経験を積む目的もあったので、前々から試したいと考えていた彼是(Substanceを自分のモデルに使用する、Eeveeでのレンダリングなど)を盛り込みました。
コンテストの趣旨から少し外れているかもしれませんが、講評頂けると幸いです。
真希波・マリ・イラストリアス
角谷優佳
モデリング(学生の部)
グランプリ
Eroded Evangelion Unit-03
宮崎由麻
Eroded Evangelion Unit-03
宮崎由麻
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これが「今」の全力
審査員コメント
モデル的にはエッジがだるかったりして粗削りなところは多々見受けられますが応募作品の3号機の中でキービジュアルが一番よかったと思います。(鬼塚)
CGをやりはじめて1年とは思えない見事な出来栄え。ご自身のコメントからは「リサーチ→計画立案→実行→(恐らくは)レビュー」という、PDCAやFFAなどと呼ばれるプロ必携の思考を実践されていることが窺えたことにも好感を抱きました(沼倉)
準グランプリ
真希波・マリ・イラストリアス
笹山真聖
真希波・マリ・イラストリアス
笹山真聖
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cgくささを出さないようにするため柔らかい曲線を出すように心がけました
審査員コメント
三面図でプロポーションを見ると少し違うなと感じる部分もありますが、ポーズや雰囲気を作るのがうまいと思います。キャラクターを良く見せられています。(小林)
入選
Mari
山脇春奈, 長濵晃
3号機咆哮
角木恵太
EVA-03
邊木園聖, Rookachart Pumphat
EVA-03
邊木園聖, Rookachart Pumphat
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参号機の活躍している姿を作品で表現したかったので、シルエットや、作品の雰囲気に戦場感を感じさせるように意識しました。一枚絵をリアル寄りにした理由としては、アニメで登場しているエヴァと雰囲気を遠ざけることによって「敵として戦った参号機」ではなく、「活躍している参号機」別の世界線の参号機にする事によって説得力が増すと思ったからです。
勇往邁進
門司崇志, 東山知喜
EVA03
迫田大翔
アニメーション(一般の部)
グランプリ
該当者なし
準グランプリ
女の子と猫
洪漢杓
女の子と猫
洪漢杓
制作意図
アニメの派手なスキルより見てすぐテーマが伝わるよう重点を置いて制作しました。
見ている人が、猫と子供の行動を自然で、実際のことのように感じられるよう作りました。
審査員コメント
今回のアニメーション作品の中では完成度が最も高いと感じました。(鬼塚)
入選
該当者なし
アニメーション(学生の部)
グランプリ
該当者なし
準グランプリ
つかまえた
岩垣澄快
つかまえた
岩垣澄快
制作意図
八歳児くらいの女の子が野良猫を追いかけるアニメーションです。このアニメーションでは女の子も猫も両方可愛く思って欲しかったので、女の子が頑張って追いかけるんだけど、それを猫は颯爽と躱して。でも最終的には猫の方から女の子にすり寄る。両方の愛らしさを表現できるよう考えたアニメーションです
審査員コメント
ワンカットで見せていて、大変な作業だったと思います。(鬼塚)
入選
台所と猫と女の子
玉井貫太郎
台所と猫と女の子
玉井貫太郎
制作意図
猫というマイペースで自由な生き物と一緒に暮らし、振り回される女の子の日常を描きたいと思い制作しました。
日常感を出すために台所を舞台に選び、ビンが倒れて慌てる女の子と、自分が倒したのに何も気にしない猫の対比を出したいと思いました。
起きて!かまって!
萬喜美穂
起きて!かまって!
萬喜美穂
制作意図
巷で人気の可愛い猫CMのような、観ていて癒される雰囲気を目指しました。
女の子に起きてかまってほしい猫の可愛さ、猫のことが大好きな女の子の可愛さ、猫と女の子の家族と同じ信頼関係の良さを意識して、アニメーションを付けました。猫が女の子に近寄る動きや、女の子が猫とじゃれあうリアクションで猫と女の子が相思相愛であることが視聴者の方に伝わるように、一つ一つのポーズや表情に気をつけながら制作いたしました。
四足歩行動物のアニメーションを作るのが初めてだったので、四足歩行動物の基本的な動きの習得も1つの目標としました。さらに、芝居も付けられるアニメーターになりたいのでフェイシャルアニメーションのスキルアップとしても、制作に臨みました。
Found a cat !
和田翔太
Found a cat !
和田翔太
制作意図
女の子の感情を伝えられるようポーズ・動きを作りました。猫の可愛さに心躍り、逃げられてショック・悔しい…といった感情を女の子っぽいポージングで伝えらえるよう心掛けて制作しています。猫の方は、犬などに比べて気まぐれなイメージがあるので、簡単にはなびかない…かと思ったら全力でじゃれついて来るといった、猫っぽさを出すよう心掛けました。
- 主催:株式会社プロジェクトスタジオQ
- 特別協賛:学校法人麻生塾/株式会社カラー/株式会社ドワンゴ
- 協賛:株式会社ワコム/オートデスク株式会社/CG-ARTS(公益財団法人 画像情報教育振興協会)/CGWORLD
- 後援:福岡市/福岡地域戦略推進協議会